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 Kayoko Shimada on British Football

Bart GAENS バート・ガーンス 「Jサッカー」雑録

島田佳代子

イギリスに住んでみて、気が付かされたのがこの国での日本に対する関心の低さです。「日本は香港にあるんでしょ」や「日本は中国のどこにあるの?」。日本人だと言っているのに、その後に「中国のどこから来たの?」といった質問を昔受けた時は冗談かと思いましたが、そうではないと気が付き唖然としました。もちろん、日本のことを良く知り、私以上に日本語を知っているようなイギリス人の友人もいますが、ごく少数です。

アーセナル所属のコールが、怪我の為、練習に出られない際に、「ジャッキー チェンやブルース リーのビデオを見て、日本語を勉強した。チームメイトの稲本に試したら通じた」という記事をタブロイド紙で読んだ時には笑いました。チェンもリーも日本人ではないのですが・・・。日本語吹き替えのビデオだったのでしょうか?

元来、人々の関心の低かった日本という国が、イングランド(とアイルランドも)が出場を決めてから、取り上げられるようになりました。が、話題の中心は物価の高さばかり。イギリスから日本へ旅するサポーターの数が、物価高の為下回るという記事は、残念で。マクドナルドで5ポンド(約950円)。ビール 1パイント8ポンド(1560円)・・・。そんな間違った報道がされていれば、行きたくなくもなります。

イギリスの街中で売られているサンドイッチ。2ポンド50ペンス(約490円)って異常じゃないですか?私は感覚が麻痺してしまいつつありますが、イギリスに来たばかりの頃は、その値段を見てショックを受け、購入せずにお店を出たことがあります。物価が高い、高いと信じらもれている東京から、イギリスに留学しようとしたが、あまりの物価の高さに行き先を他国に変更したり、イギリスに観光で訪れその物価の高さに多くの日本人がショックを受けていることはあまりイギリスでは知られていないはずです。

英国で私が気になった報道といえば、物価や日本への関心の低さですが、残念でならないのが、日本でのフーリガン報道についてです。日本に一時帰国した際にテレビを付けたら、ワールドカップ前ということで、多くの特集番組が作られていましたが、ユイングランド=フーリガンユ。ヘイゼルの悲劇の映像を使いユフーリガンとはこんなに恐ろしいことをするユという番組を見た時には、
驚きました。

ヘイゼルの悲劇とは、1985年にベルギーのヘイゼルスタジアムで行われた、チャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)決勝戦でユベントスとリバプールのファンが、乱闘騒ぎを起こし壁が崩れ、結局39名のファンが命を失った悲劇です。その制裁として、イングランドはその後5年間もの間、国際試合を禁じられまし。確かにこの悲劇は、フーリガンと呼ばれる人間により引き起こされました。しかし、これが教訓となり、今ではナイトゲームに女性が1人で観戦に行っても問題ない安全な環境になりました。番組ではそのことは語られていません でした。私は、今までにイングランドで軽く、200試合以上リーグ戦、カップ戦、国際試合等を観戦していますが、一度も目立ったトラブルを目撃したことがありません。

ワールドカップの開催地ではフーリガン保険が作られ、万が一ガラスを割られるようなことがあっても保険がきくそうですが、それでも心配で、ワールドカップ期間中はお店を閉め、避難するという人の話も聞きました。そういった方々に話を伺ったところ、地元の警察等か・e7見せられたビデオが殺人が起きているようなビデオだったとのこと。きっと私がテレビで見たものと同じヘイゼルの悲劇の映像をどうやら見せられていたようです。そのようなビデオを見せられたら、避難もしたくなるでしょう。

従兄弟がマンチェスターに遊びにきた際に待ち合わせ場所で会ったところ、「街中でおかしな人を見た。上半身、裸で歩いていた!!」と話された事があります。数年間のイギリス滞在で私の感覚はすっかり鈍り、街中で上半身裸の男性を見ても、何とも思わなくなってしまいましたが、確かに日本人には驚きの光景でしょう。

日本のタクシーは、自分でドアを空ける必要がなく自動です。昔、それを知らない、外国人観光客がドアのすぐ前に立ち、自動で空くドアにあたってしまうという冗談を聞いたことがありました。私が実際に遭遇し、ちょっと心配したのは、支払い方法。イギリスでは、多くの場合、目的地に到着してから、車を降りて窓越しに払います。が、日本ではもちろん車中で払います。イギリス人は、その習慣で降りてから払おうとしますが、その習慣を知らないタクシーの運転手は無賃乗車されてしまうのではないかとドキッとするようです。

イギリスのホーム オフィス等が、日本へ出掛けるサポーターたちに「イギリスではファッションである刺青も、日本では違うから見せるな」「暑くても上半身裸になるな」「酒を飲み、大騒ぎするな」といった注意を呼びかけていても、日本では、依然としてフーリガンについてを誇張して報道ばかりをしているようで、文化の違いを教えてはいないようで残念です。

私が一番恐れているのは、余りにフーリガンを誇張し、多くの人を必要以上に震え上がらせている今、イギリス人の酒の飲み方、酔っ払い方等を知らない日本人が、彼らが酒を飲み、ご機嫌に楽しんでいる姿をフーリガンと勘違いし、通報でもしてしまわないかということです。ヘイゼルの悲劇等のビデオを見せ、地元の人間を怖がらせるだけではなく、文化の違いが招く誤解を減らす為に、誤解をうみそうな習慣をもっと紹介すれば良いのにと思うのは私だけでしょうか?

I LOVE 英国フットボール―観た!行った!!はまった!!!ジョージ・ベストに会った!!

島田佳代子

かつてのスター選手から、クラブ関係者など、フットボールに関わるさまざまな方面 に親交がある著者ならではの視点でイングランド、スコットランド、ウェールズ、北 アイルランドの4地域を含めた英国フットボールの“いま”と“むかし”を伝えるさ まざまなエピソードを紹介。 数年前から在籍する稲本潤一選手はもちろん、最近の中田英寿選手、中村俊輔選手の 移籍によってますます日本でも注目を集めはじめた英国フットボールを新たな視点か ら切り取っている。 カバーイラストは著者とも親交のある安齋肇氏が担当。かわいいスリーライオンが本 書のトレードマーク。

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